2022年3月15日に、金融庁と日本経済新聞社が主催した「Fintech Summit Symposium 2022」が開催され、注目キーワードの1つに「保険DX」がピックアップされました。保険業界では、保険とテクノロジーを掛け合わせた「InsurTech(インシュアテック)」が浸透し始めており、保険DXの期待値が高まっています。
保険業界でもマネーツリーの金融APIは活躍しており、「ライフプランシミュレーション」での活用を中心に多くの実績を上げています。そこで本ブログでは、「保険業界のDX」を実現するMoneytree LINKの活用事例を紹介します。
厚生労働省は、国勢調査による人口や死亡・出生の確定数をもとにした「完全生命表」を5年ごとに発表しています。令和2年3月2日に更新された完全生命表によると、「男性の平均寿命は 81.6 年」「女性の平均寿命は 87.7 年」の結果が出ており、日本は「世界一の長寿国」と言えます。(出典)
一方で、「日本人の給料」に焦点を当てると、なんと1997年から20年以上にわたり平均年収が上がっていません。対照的にアメリカの平均年収は、この20年間で2倍になっています。世界における「日本の平均年収の順位」は、OECD(経済協力開発機構)のなかで4位から24位に落ちており、日本の賃金が上がらない経済状況を「一億総貧困社会化」と揶揄する専門家もいる状況です。(出典)
このような経済状況のなかで、消費者は常に「このまま豊かに暮らせるのか」という不安を抱えています。消費者は、自身に合わせた人生設計を計画する際にファイナンシャルプランナー(以下、FP)に依頼することが多く、資産形成の計画の提案の際に手助けとなるのが「ライフプランシミュレーション(以下、LPS)」です。
昨今は、若年層や働き盛り世代のライフスタイル変化や価値観の多様化による「様々なニーズ」に応えるため、新しい保険の開発や取扱いが拡充されています。それに伴い、一人ひとりにあったライフプランニングを行うべくライフプランシミュレーションの重要性が高まっています。
また、2020年6月公布の「金融サービスの提供に関する法律」により金融サービス仲介業が創設され、保険業として登録していなかった事業者も保険販売が可能になりました。保険販売のチャネルも変化していることから、消費者との接点作りはこれまで以上に重要と考えられます。
これら背景を踏まえ、「顧客とのエンゲージメント」を高めるツールとして、一人一人のライフイベントや経済状況を可視化できるライフプランシミュレーションが欠かせない存在となっています。
一人一人に合わせた人生設計の重要性が高まるなか、提案の現場では多くのファイナンシャルプランナー(以下:FP)が課題を抱えています。FPは顧客に資産情報や今後予想できる収支などのヒアリングを行いますが、ライフプランシミュレーションのもとになる情報は、FPもしくは顧客自身が「直接入力する」ケースがほとんどです。
シミュレーションに必要な情報を揃えたり入力する作業は非常に面倒で、なおかつ顧客自身が収支を的確に把握していない場合、ライフプランシミュレーションの精度は落ちてしまいます。また、収支データの入力や管理はマニュアル作業のため、それ以降ライフプランシミュレーションのデータが自動的にアップデートされることはありません。そのため収支状況やライフイベントの変化は、「顧客の自己申告」に頼る形となります。
昨今のコロナ禍では顧客と対面で接する機会が限られ、状況変化のヒアリングも難しい状況です。非対面では、年に1度の「契約内容の確認」を促す書面の送付に留まることが多く、顧客から問い合わせがない限り、タイムリーなアプローチが出来ない点は保険業界の共通課題となっています。
DXが進む海外の事例では、フィンテック企業のソリューションを活用し業界の長年の課題を解決している例もあります。
上記で記載した保険業界の課題を解決するため、ライフプランシミュレーションを活用し顧客エンゲージメントの向上を推進するのが金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」です。Moneytree LINKのアカウントアグリゲーション技術をライフプランシミュレーションに導入することで、顧客の金融データをリアルタイムに自動取得でき、これまでより簡単に迅速かつ正確なライフプランシミュレーションが可能となります。
また、Moneytree LINKはプライバシー・バイ・デザインを元に、利用者のプライバシーを最も重視したプラットフォームです。顧客の明確な同意のもとデータを連携し、プライバシーを第一にそれに伴うセキュリティとレギュレーションを徹底しており、銀行や保険会社など多くの金融機関に採用されています。
Moneytree LINKがFP・保険代理店・保険会社などの金融機関と、顧客にもたらすメリットは以下の通りです。
※Moneytree IDとは
マネーツリー株式会社が提供する固有のIDです。利用者は金融機関を50口座まで登録可能で、利用者はMoneytree ID連携を許可することでさまざまなサービスに金融データを連携することが可能です。(詳しくはこちら)
ここで、保険業界でMoneytree LINKを活用しているクライアントの事例を紹介します。
ソニー生命保険株式会社が提供する、ライフプラン分析システム「GLiP」はMoneytree LINKを導入しています。
ソニー生命は、長年にわたり蓄積してきた「ライフプランナー」のコンサルティング技術や、顧客のライフプランデータベースをもとにAI 分析技術を活用。「人生100年時代」に対応した、顧客一人ひとりのライフプランを提供しています。
ライフプラン分析システム「GLiP」は、専用のスマートフォンアプリによって、ライフプランの進捗確認やアップデートが可能。ライフプランに大きな変化があれば、いつでもライフプランナーにコンタクトできます。この「GLiP」にMoneytree LINKが採用されたことで、金融データとの連携を実現。精度の高いライフプランシミュレーション提案に貢献しています。
詳しい製品情報はGLiPの公式ウェブページをご覧ください。
「アルファ・ファイナンシャルプランナーズ」が提供する、お金に関するすべての問題をワンストップで解決できる「マネソル」はMoneytree LINKを導入しています。
「マネソル」は、あらゆるお金の問題に対し、在籍するFPがアドバイスする際にシミュレーションができるサービスです。Moneytree LINKとの連携により、銀行口座や証券口座、クレジットカード、電子マネーなどお客さまのお金の流れを継続的かつ正確に把握。ライフステージにあった、適切な提案を実現しています。
Moneytree LINKの特徴である、どのようなアプリケーションのインターフェイスにも柔軟に対応できる点や、セキュリティやプライバシーに配慮したサービスである点が評価されています。
詳しくはマネソルの公式ウェブページをご覧ください。
この他にも、国内と海外の保険DX事例にご興味のある方は、無料レポート「14の保険DX事例から見えてくる保険業界の未来」をご覧ください。
マネーツリーが提供する金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」は、2,500以上の銀行口座(個人・法人)や、クレジットカード、電子マネー、ポイントカード・マイル、証券口座の取引明細を一つに集約しAPIでご提供しています。
Moneytree LINKを導入することで、リアルタイムな金融データ連携を実現し、顧客の資産状況を継続的かつ正確に把握することができます。保険サービスの 「顧客体験向上」によるタッチポイントの強化や増加、保険業界のデジタル推進に貢献します。
保険商品を開発している企業さまや、ライフプランシミュレーションを開発する企業さま、金融データを有効活用したい新規企画部さまやDX推進部さまにとって、Moneytree LINKは最適なソリューションです。
Moneytree LINKによって「顧客に優れたデジタル体験の提供」と「最適なファイナンシャルプランニングの提案」が実現できます。Moneytree LINKで取引明細データの取得、金融データをAPI経由で取得し活用するサービスに興味のある方からのご相談をお待ちしております。
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