
「給料日前と給料日直後の私は別人だ!!」
給料日前は「今月はもう余計なものを買わない」と心に誓っている。ところが給料が振り込まれた途端、仕事帰りにちょっと良いものを食べ、前から欲しかった服を買い、「これくらいならいいか」とAmazonでポチる。
給料日に使いすぎるのは、たぶん私だけではないと思う。
でも、実際どれくらい違うのか。財布のひもが緩んでいる自覚はあるが、数字で比べたことは一度もない。
だったら、確かめてやろうじゃないか。
というわけで今回は、1カ月分の家計モデルを作って、給料日直後と給料日前の支出を大真面目に比べてみることにした。
条件はこうだ。
・給料日は毎月15日
・比べるのは、給料日直後の3日間と、次の給料日前の3日間
果たして、本当にそんなに違うのか。それとも、思うほどの差はないのか。
※本記事は、検証用に作成した架空のモデルデータで給料日前と給料日後を比較したモデルケースです。
今回のモデルは、30代の会社員で一人暮らし。手取り月収は30万円、給料日は毎月15日だ。
支払いは銀行口座、クレジットカード、電子マネーの3つ。どれもMoneytreeで確認している想定である。
1カ月は、15日の給料日から翌月14日まで。比べるのはこの2つだ。
・給料日直後:15〜17日
・給料日前:翌月12〜14日
給料日が15日なので、この人にとっての“月末”は12〜14日になる。暦の月末(28〜30日)ではないので注意してほしい。
なお、家賃や光熱費、サブスクのように、決まった日に自動で出ていく固定費は比較から外した。見たいのは、外食や買い物のように「今日は使うか、やめておくか」を自分で決められるお金だ。
こうしてモデル用に作った1カ月分の明細から、対象の6日間を抜き出してみた。

まずは、給料が入った直後の3日間から見ていこう。
15日。お待ちかねの給料が振り込まれた。

まずは15日。セブンイレブンで684円、仕事帰りの夕食が3,850円。さらにAmazonで、前から買おうと思っていた日用品などを4,980円分注文している。
15日:9,514円
まあ、給料日だし。このくらいはあるだろう。
16日はスターバックスで620円、ユニクロで5,990円、スーパーで2,176円。
16日:8,786円
17日はファミリーマートで428円、ランチに1,280円、夜は飲みに行って4,200円。帰りはタクシーで1,460円。
17日:7,368円
数万円の家電を買ったわけでも、高級レストランに行ったわけでもない。服を買って、外食して、Amazonでちょっと買い物をしただけだ。
ところが、3日間を合計すると……
25,668円。
合計しないでほしかった……
1日あたり約8,556円。手取り30万円のうち、約8.6%がたった3日間で出ていった計算である。
給料が入った直後なので、本人に「使いすぎた」という感覚はたぶんない。だが明細を並べると、なかなかの金額だ。
では、給料日前はどうなっているのか。

続いて、次の給料日前。翌月12日はスーパーで1,764円、コンビニで198円。
12日:1,962円
13日はランチに850円、ドラッグストアで日用品を1,102円。
13日:1,952円
14日はスーパーで1,486円、コーヒーに380円。
14日:1,866円
うん、明らかに給料日前の買い物だ!!
スーパーにも行くし、ランチも食べている。でも「今日は外で飲もう」「せっかくだから服も買おう」という支出は、どこにも見当たらない。
3日間の合計は5,780円。1日あたり約1,927円だ。これを給料日直後の25,668円と並べてみると……
25,668円÷5,780円=約4.4倍!!!
4.4倍! 思った以上に違った。
言い換えると、給料日直後の1日分(約8,556円)があれば、給料日前の暮らしなら4日以上やっていける。同じ人の財布とは思えない。
あくまで今回のモデルでの数字だが、同じ人でも給料日の前と後で、これだけ使い方が変わりうるのだ。
では、給料日直後はいったい何にお金を使っていたのか。……明細を見返すと、思い当たるフシがある。
給料日直後の明細を改めて見ると、特別に大きな買い物は1つもない。
比較的大きいのはこの3つだ。
・Amazon:4,980円
・ユニクロ:5,990円
・飲み代:4,200円
どれも単体なら「絶対にやめておこう」と思うほどの金額ではない。そこにコンビニ、カフェ、ランチ、タクシーが少しずつ加わって、25,668円まで膨らんでいた。
一方の給料日前は、スーパーや日用品など、なくては困る支出が中心だ。ランチは食べているが、夜の外食や飲み会、服、ネットショッピングは1件もない。
カテゴリ別に並べると、違いはさらにはっきりする。

外食は9,330円→850円。買い物は10,970円→0円。
給料日直後の3日間の明細は全部で10件あった。そのほとんどが、「給料も入ったし、今日はいいか」で済ませられる金額である。
1回1回は小さな「まあいいか」。でも、それが10回重なると2万5,000円を超えるのだ。
「そんなに無駄遣いしていないのに、お金が貯まらない」と感じている人は、数千円単位の支出を一度まとめて足してみてほしい。たぶん私と同じく、「合計しないでほしかった……」と言うことになる。
今回のモデルでは、給料日直後は使えるお金が30万円ある状態からスタートしている。財布に余裕があるように感じやすいので、「数千円くらいなら」と使う回数も増えた。
だったら、使う前に貯める分を分けてしまえばいい。
たとえば給料が入った日に3万円を貯蓄へ回せば、最初から……
30万円−3万円=使えるお金は27万円。
いわゆる先取り貯金だ。
計算結果をまとめるとこうなる。
・給料日直後の3日間:25,668円(1日あたり約8,556円)
・給料日前の3日間:5,780円(1日あたり約1,927円)
・その差:約4.4倍
「余ったら貯めよう」と思っているうちに使ってしまうタイプなら、余るのを待つより、先に分けておくほうが確実だ。
実際、今回のモデルの人も、給料日前の3日間は5,780円で過ごせていた。お金がなければ、人はちゃんと節約できるのである。
警戒すべきは給料日前の自分ではなく、給料が入った直後の自分だった。
……と、給料日前の今なら冷静に言える。給料日直後の私がこの記事を読んだら、たぶん「まあいいか」で閉じると思う。
とりあえず次の給料日は、何かを買う前に、まず3万円を貯金用の口座へ移しておこうと思う。
お金と健康の編集チーム
大学生と20代の毎日に役立つ、お金と健康の知識をわかりやすく届ける編集チーム。専門家への取材と、今日から試せる具体性を大切にしています。
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