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給与明細で読み解く税金、社会保険の仕組み
制度を知る

給与明細で読み解く税金、社会保険の仕組み

花輪陽子
2017
06
27

皆さんは毎月の給与明細を確認していますか?マネーツリーアプリで振込額(手取額)だけを確認している人も多いかもしれません。しかし、給与明細まで目を通したほうがお得も多く、社会の仕組みが分かるようになります。

会社によって異なる「控除」は手取り額に影響する!?

転職や就職の際、企業を選ぶ際に「基本給」などを参考にする人も多いでしょう。しかし、基本給だけが私たちの報酬ではないのです。基本給に「手当」を加えた「総支給額」が報酬であり、そこから「控除」を引いたものが私たちの手取りになります。基本給がいくら高くても、手当が少なく、控除が多い(労働組合費や商品代など引かれるものが多い企業も)と手取りが少なくなります。反対に基本給が少なくても手当が多く総支給額が高くなる場合もあるのです。会社を選ぶ際には転職エージェントや社内で働いている人などに条件なども含めて聞いてみるとよいでしょう。

年金に影響するのは「税金」?「社会保険料」?

それから、「額面は結構あるのにどうして税金がこんなに引かれているんだろう?」と思っている人も多いかもしれませんね。基本給と手当など報酬から控除されているものは「税金」と「社会保険料」の2種類です。特に社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)は高額になるので内容を知っておきましょう。

厚生年金保険料は納めることにより将来年金として戻ってきます。しかし、給与明細をきちんと見ていないと、将来もらえる年金額が少なくなるということもありえます。少し前に「宙に浮いた年金記録」についてメディアなどで騒がれましたが、記録の付け合わせが進み、現在は誤りがある場合は事業主側の問題が多いそうです。給与明細とねんきん定期便や年金ネットで報酬額が正しく記録されているのか付け合わせをすると安心です。

給与明細を捨てる前に、報酬額の確認を

厚生年金保険料の自己負担分は9.091%です(平成28年9月分〜平成29年8月分)。総支給額にざっくりこの割合をかけて金額がかけ離れていないか確認をしてみましょう。厚生年金の場合、給与明細がないと将来もらえる年金額を正確に計算することがむずかしいです。ねんきん定期便や年金ネットで報酬額に誤りや漏れがないかをチェックするまでは給与明細を捨てずに保管しておきましょう。

健康保険料、所得税、住民税のチェックポイント

厚生年金保険料とともに引かれている金額が多いのが健康保険料です。厚生年金保険料は将来年金としてもらえる積立てですが、健康保険料は掛け捨てです。せっかく高い保険料を払っているのに病院に行かないのはもったいないことです。具合がわるいと思ったら病院に行くというのもよいでしょう。

社会保険料とともに引かれているのが所得税と住民税です。所得税は毎月の給与から源泉徴収されていますが、1年間の給与総額が確定する年末に年末調整をして正しい税額を計算し、徴収された税額との過不足を清算します。住民税は昨年の分が本年の6月から給与天引きされます。入社1年目は住民税の徴収はなく、2年目の6月以降は住民税が引かれるので銀行振込額が入社1年目より少なくなるケースもあります。

毎月給与明細をしっかりと見ることによって、お金の計画を立てることができ、税金や社会保障の仕組みやお金に対する興味もわくようになります。

筆者プロフィール

花輪陽子

外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。

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