ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。毎日のカフェタイムやタクシーのチョイ乗り、コンビニで新商品を買ったり、レジ脇にあるものをついつい買い物かごに入れてしまうなんてことはよくあるでしょう。しかし、ちょっとしたお買い物も、積み重なると意外に大きくなることをご存知でしょうか。例えば、平日に毎日、こうした500円の買い物をしたとすると20日間で支出額は1万円になるのです。
皆さんはこんな経験はありませんか。
「今日も知らない間に財布の残金を減らしてしまった。一つひとつの費用は少ないんだけど、無自覚に使ってしまったみたい」。
毎日のカフェ代などがこれに当たるのですが、こうした支出はカフェラテにちなんで『ラテマネー』と言われます。名付け親は米国の資産アドバイザーのデヴィッド・バック氏です。
シンガポールで富裕層を見ていると、彼らの多くは、このように無自覚にお金をポロポロ使っていくということが全くないと気がつかされます。お金持ちに近づくためには、無自覚な支出を可視化するのが第一歩です。日本の政府は、キャッシュレス化の流れを加速させています。現金から電子マネーの利用に切り替えることで、ポイントをより多く貯めることも可能です。また、電子マネーは記録が残るので家計管理がしやすくなります。家計簿アプリと連動させることで、さらに家計を視覚化することが容易になりますね。
海外の富裕層は普段はめったなことがないと財布を開きません。私たちも富裕層を目指して財布を開く頻度を下げたいところです。そこで、定期的にノーマネーデーを作ることをオススメします。
ノーマネーデーとは、その言葉の通り、お金を使わない日を作るということです。平日だと、定期を使って通勤し、ランチは自宅から持参、カフェタイムも自宅から持って来たティーパックやドリップコーヒーを使うなど、自宅にあるものでやりくりする方法を考えます。
休日なら、移動は徒歩、あるいは定期圏内に抑えたり、3食を自宅にあるもので賄ったり、メンバーになっているスポーツジムに行くなどしてお金がかからない娯楽を考えるといった工夫ができます。
なぜこのように不便な思いをすべきなのでしょうか。。現代社会はキャッシュレス化が進み、お金を使う痛みを伴わずに簡単に決済ができてしまいます。つまり、よく考えもせずにお金を使ってしまいやすくなっているのです。電子マネーは管理をする上では便利なのですが、慣れないと現金に比べて、使い過ぎるリスクがあるのです。定期的にお金を使わない日を作って、自分がいかに無自覚にお金を使っているかに気づくことが大切です。
ノーマネーデーはどの程度のサイクルで作ればよいのでしょうか。どれくらい金融デトックスをしたいかにもよりますが、月に一度は意識的に取り入れたいところです。半年内に絶対にいくら貯めたいなど、負荷をかけて支出のダイエットをしている人は週に一度でもよいでしょう。
私の場合は、外出をする時もあらかじめその日の予算を決めておき、必要な分だけの現金を用意します。ポイントカードなどは持ち歩かず、携帯ケースやキーケースの中に用意した現金といざとなった時のデビットカードなどを潜ませて出かけます。そうすることで予定外の支出を減らすことができます。
なぜこんなことをするかというと、私はお金を使うのが好きなタイプで、努力せずに勝手にお金が貯まることはないと分かっているからです。私のようなタイプの人には、家計を可視化し、ノーマネーデーを作るといったお金を使いにくくする仕組みづくりをするのがおすすめです。
外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。
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