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2019年の確定申告、スマホで電子申告が可能に
制度を知る

2019年の確定申告、スマホで電子申告が可能に

風呂内亜矢
2019
01
24

ブログ「年収850万円超は増税に。フリーランスは電子申告で減税も」では、2020年から、年収850万円を超える会社員は実質増税になること、同年よりフリーランスなどの自営業者は電子申告を行うことで減税になる可能性があることをお伝えしました。国税庁としては、電子申告を浸透させたい考えもあるため、より多くの人が利用できるよう対応を広げています。

国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」はとっても便利

確定申告を行う方法は複数あります。昔から医療費控除などを提出し慣れている人であれば、確定申告書類(紙)を税務署でもらってきて、手書きで記入している人もいるかもしれません。

国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」は、毎年手書きで確定申告を行ってきた人にとっても便利です。指示に従って入力を進めると、各欄を自動計算してくれたり、異常な値を入力してしまったときにもエラーメッセージで教えてくれます。前年度のデータを使って本年度の確定申告を作成することもできるため、不動産の減価償却など、前年のデータから自動計算してもらえる項目もあります。これらの項目を必要とする人にとっては、手間が軽減されたと感じるでしょう。

「確定申告書等作成コーナー」で書類作成を行い、印刷・封入・投函するという方法であれば、これまで手書きで提出していた人でも比較的スムーズに始めることができそうです。

2018年は配偶者(特別)控除の制度改正があり、年末調整の書類が難しく、もしかすると間に合わなかった人もいるかもしれません。配偶者(特別)控除は、確定申告で申請して適用を受けることもできるため、年末に諦めてしまった人は、確定申告に挑戦しても良いかもしれません。

スマートフォンで作成だけでなく提出もできるように

「確定申告書等作成コーナー」で書類の作成までは行ったとしても、電子的に提出する「電子申告」は少し難しく感じる人がいるかもしれません。電子申告を行うためには、マイナンバーカードと、マイナンバーカードのデータを読み取るためのカードリーダーが必要なのです。

実は私自身も3年ほど前までは電子申告をしていましたが、引っ越しに伴いカードリーダーを紛失してしまったり、パソコンを買い換えて今一度環境設定をすることを考えると面倒に感じ、ここ数年、印刷して投函というスタイルに戻ってしまっています。

しかし、2019年以降、電子申告を行いやすくするための対応が広がっています。

まずは、電子申告のスマートフォン対応がスタートします。これまでも、先にあげた「確定申告書等作成コーナー」を使うことで、スマートフォンでも確定申告書の作成までは行うことができました。2019年の確定申告からは、スマートフォン用に最適化された画面で確定申告を行えるようになり、一部のアンドロイド端末では提出まで行うことができるようになります。AQUOS、arrows、Xperiaなどの対象モデルであれば、スマートフォンをカードリーダー代わりに使うことができ、別途カードリーダーを購入する必要もありません。

マイナンバーカードも、スマホもカードリーダーも要らない暫定措置

スマートフォンがiPhoneなど対象端末ではない人や、マイナンバーカードを作成していない人にとっては、それでもまだハードルが高いと感じるかもしれません。そんな人でも暫定措置である「ID/パスワード方式」であれば、電子申告に挑戦できるでしょう。

「ID/パスワード方式」は税務署に出向いて発行してもらったIDとパスワードを使うことで、マイナンバーカードやカードリーダー(代替する対象スマートフォン)がなくても電子申告を行うことができます。

一度、税務署に出向く必要があるため、今年の確定申告については、そのまま相談しながら書類を提出してしまう方が楽かもしれませんが、来年に備えてIDとパスワードを発行してもらっておくのも良さそうです。なお、IDやパスワードの発行は住所地を管轄する税務署に限らず、勤務先の近くなど立ち寄りやすい税務署でも行えます。

既に過去に電子申告をしたことがあり、利用者識別番号を持っている人は、番号やパスワードなどの情報を整理して出かけましょう。情報に不安がある場合は、現住所を管轄する税務署の方が情報を調べやすく、柔軟な対応が可能とのことです。

筆者プロフィール

風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

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