法人の銀行融資は誰もが経験のあることではなく、初めての場合「何を準備すればいい?」など根本的な疑問があるかと思います。そこで今回は、銀行融資が実行されるまでの流れと、実行にかかる期間について解説します。
また、銀行融資の審査をスムーズに進めるポイントも解説します。融資を受けられるか不安な人は、ぜひ参考にしてみてください。全体の流れを把握するだけでも、審査に必要な書類や情報、今後の対策なども準備しやすくなるでしょう。
銀行融資が実行されるまでの流れ
法人の銀行融資が実行されるまでの流れを見ていきましょう。
①相談・申し込み
相談・申し込みでは、以下のポイントを窓口で確認しましょう。
<確認ポイント>
- 返済金額や借入期間
- 融資が承認されたケースの事例
- 必要書類
申し込みから融資開始までは1ヶ月以上かかることもあるため、余裕を持って窓口に足を運びましょう。また、事業計画書や決算書など、会社に関する資料を持ち込むと、融資について具体的な話が聞きやすくなります。
②面談
法人での融資では、面談による審査も行われ、以下の内容を質問されます。
<面談での質問例>
- 資金の用途
- 返済手段
- 事業や設備の状況
- 経歴
- 事業計画
多角的に融資の判断が行われるため、回答を具体的に言語化できるよう備えましょう。
③審査
面談の後、書類と面談の内容から審査が行われます。複数の職員が審査にかかるため、結果が出るのは1~4週間後です。
審査状況次第では追加資料の提示が求められるので、その際は速やかに提出しましょう。
④審査結果と条件の提示
審査完了後は、結果と融資の条件について提示されます。連絡方法は主に電話で、合格している場合は融資方法や金利など、詳細も含めて説明を受けます。
このとき、こちらの希望条件と異なる内容が提示された際は、条件交渉に持ち込みましょう。
⑤融資契約の締結
審査合格後は、契約書類を提出して契約締結です。銀行員がこちらまで訪問してくれるため、契約書の内容を確認して署名しましょう。
⑥融資の実行
契約書類に不備がなければ、指定口座に入金されます。契約書類の処理も含め、入金までの期間は3~7営業日が目安です。
銀行融資の実行までにかかる期間
融資実行までの目安期間は、およそ1ヶ月前後です。銀行や融資の金額などによって審査期間には差があり、長ければ2ヶ月かかる可能性もあります。
銀行融資を希望する際は、資金が必要なタイミングを見定め、スケジュールに余裕を持たせたうえで申し込みを行いましょう。
銀行融資をスムーズに進めるには?
銀行融資をスムーズに進めるコツを3つ解説します。
自社の財務状況を正確に把握し、情報提供をする
審査をスムーズに進められるよう、自社の財務状況は正確に提供しましょう。不足する資料・情報は、審査を止める要因となり、銀行側からの質問や追加の資料請求などに対応しなければなりません。
綿密な事業・返済計画や資金の用途なども含め、可能な限りの情報を提供しましょう。
具体的な数字に基づいた説明をする
漠然とした情報では銀行からの信用を獲得できないため、具体的な数字に基づいて説明してください。事業計画書はもちろん、現在の借入・返済状況の一覧や金融機関の取引明細など、お金の流れがわかる書類を用意しましょう。
大切なのは、将来的な返済の裏付けとなる数字です。希望的観測や主観ではなく、現状と今後の予定から返済の目途を立てましょう。
銀行員との信頼関係を築く
銀行員との信頼関係を築くことで、協力的な対応に期待できます。親身になって話を聞いてもらえれば、こちらの情報を伝えやすくなり、理解を深めてもらえるでしょう。
また、融資の審査では、複数の銀行職員が資料をチェックします。審査の結果は最終的に人が判断するため、嘘をついたり、態度が悪かったりといった、信頼を損なう行動はネガティブな結果につながりかねません。銀行との付き合い方を考え、真摯に対応することが大切です。
まとめ
銀行融資は、必要資料を用意したうえで相談・申し込みを行うと、融資に関する具体的な話が聞けます。その後も、事業計画書や返済計画など、具体的な資料があれば、審査をスムーズに乗り越えられるでしょう。
注意点として、銀行の担当者とは良好な関係を築けるよう配慮してください。求められた資料を用意し、質問には正直に対応するなど、信頼が得られる行動を取るだけでも、審査を有利かつスムーズに進められる可能性があります。