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銀行・信金

心に残るプロダクトが提携の決め手。 銀行のビジネスモデルをデジタルで変えていきたい

富山第一銀行
取締役 デジタルイノベーション室長 兼 ダイレクトバンキング部長
長谷 聡 氏
2019
07
01
この事例で使用されている金融サービス:
銀行口座(個人)
銀行口座(個人)
銀行口座(法人)
銀行口座(法人)
住宅ローン
住宅ローン
証券口座
証券口座
クレジットカード
クレジットカード
電子マネー
電子マネー
ポイントカード
ポイントカード
生命保険
生命保険
確定拠出年金
確定拠出年金

デジタルイノベーション専門部隊の立ち上げで加速したデジタル戦略        

富山第一銀行は積極的にスタートアップの技術を取り入れ、新しいサービスの展開に力を入れている。富山第一銀行が提供する「ファーストバンクアプリ」ではマネーツリーの提供する個人資産管理サービス「一生通帳 by Moneytree」(現 LINK Kit)をはじめ、個人資産管理アプリ「ファーストバンク with CRECO」、ロボットアドバイザーによる資産運用サービス「THEO+富山第一銀行」、ネットショップ開設サービス「BASE」などが利用できる。 

アプリやデジタル戦略を進めている富山第一銀行だが、社内にイノベーションの文化を取り入れるまでは苦労も多かったと長谷氏は話す。

富山第一銀行は昭和19年10月1日に誕生して以来、地域に密着した銀行として営業してきました。今年で創業75年目を迎えます。

「限りなくクリア(透明)、サウンド(健全)、フェア(公平)」が社是で、赤字決算が一度もない、堅実な経営が特徴です。

昨今、感じているのは、ITで私たちの生活はとても便利になったことです。しかし、そういうことは日々の銀行勤務では感じられません。銀行も何かしないといけないという思いはありましたが、実際何か形にするには、かなり苦戦しました。

変わるきっかけとなったのは、一昨年の10月に実施した組織改革です。それまで、私はシステム部門の責任者をやりながら、イノベーションの部分も見ていました。以前から、「イノベーション専門の部門を立ち上げよう」と提案し、デジタルイノベーション部門ができ、そこからITを取り入れる動きが加速しました。

             

心に残るプロダクトが提携の決め手

マネーツリーに出会ったのは、2016年頃にマネーツリーのマークさん(マネーツリー事業部長兼常務取締役・共同創業者)と知り合ったのがきっかけです。それから2017年7月に、マネーツリーのオフィスに行って話が始まりました。

最初にいいなと思ったプロダクトは、心に残るものだと思います。個人資産管理サービスは色々ありますが、「一生通帳」(現 LINK Kit)のプロダクトを見た時にピピッときて、マネーツリーと協業できたらいいな、という思いが芽生えました。一番驚いたのは、「一生通帳」(現 LINK Kit)のデザイン性です。一方で、他行の数字までも可視化できるというのは、正直言ってびっくりしたのと、怖いというか、ドキドキ感もありました。

マネーツリーのMoneytree LINKを使うと、様々なデータと繋がるようになります。我々は銀行法が改正される時、銀行業界の中で2番目に方針を出して、そこから気合いを入れてAPIの施策に取り組んできました。

APIで繋いでデータを連携するというのは画期的なことです。銀行はこれまでデータの囲い込みに注力してきましたが、今後は、データの利活用が肝になると考えています。

CaseStudy-ToyamaDaiichi-bank-Moneytree-MTLink_D-interview-1

実際に使ってみることが大事

そうは言っても、導入前の社内にはそもそもITやテクノロジーを取り入れてみようというような文化はありませんでした。ITの仕組みや考え方を社内に説明しても「危ないんじゃないか」と言われることが多かったのです。

そこで、私たちは「まずは体験しよう」を合言葉にしました。銀行は、何か新しいことを始めるのに、どうやって活用しようかと議論してから、採用するかどうかを決めます。ですが、そうなるとできない理由が並ぶ。まずは、できることからスタートし、失敗も「成果物」と捉えて、チャレンジすることが重要だと考えました。  

議論の前に「まずやろうよ」と。やった後で、お客さまの意見を聞いて直していく。まさにスタートアップの考え方です。最初はみんな恐る恐るだったのに、自分で使って実際に体験してみると、「あれ、これいいよね」となる。やるかやらないかの議論よりも、まずやってみようというのが大事だと思います。

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社員にビジネスとしてのITを考えてもらう

テクノロジーに関心があっても、仕事に落とし込むのはまた別の話です。そのため社員には、とにかく新しい体験をしてもらおうと取り組んでいます。体験するのは、銀行のプロダクトに限りません。e sportsの大会を行内で行なったり、ブロックチェーンの技術を使って、行内の売店などで使える行内コイン(First-B-Pay)を発行する取り組みも行ったりしています。行内コインを取り入れた結果、売店の売上が11倍に伸びるということもありました。  

また、技術者でない社員にも、ビジネスとしてITを捉えることを浸透させようと、28名のチームで勉強会を始めました。そこで新しいビジネスモデルを考えています。マネーツリーを使った高齢者の安否確認サービスのような案もありました。ガバナンスの問題なども発生するので実現できるかはわかりませんが、こうした今までにない仕組みを持てば、銀行でもサブスクリプションモデルのビジネスが作れるのではないかと考えています。

これからは銀行もサブスクリプションモデルを導入するべきだと考えています。例えば、無料のアプリに付加価値をつけて、サブスクリプションモデルにするといった取組みです。毎年5000円近く払ってアマゾンプライム会員になるのはその魅力があるからです。銀行は、どう付加価値を提供していくか、そういう視点を持つことが大切になってくると思っています。他の銀行が競合なのではなく、他業態を競合として捉え、すべての業種からお客さまとの接点の機会を奪取する取り組みを目指したいと考えています。

             

今後のデジタル戦略

サービス面でのデジタル施策もいくつかあります。一つは、通帳をなくそうという取り組みです。お客さまへのアンケートでは、「通帳はいらない」とはっきりいう人が2割、「なくてもいい」という人が2割、「どうしても必要」という人は過半数に満たない結果でした。それで確信を持って進めようと思いました。通帳をなくす施策は、「一生通帳」(現 LINK Kit)があるからこそできることでもあります。通帳をなくした場合に一回振込無料やキャッシュバック等の、インセンティブをつける形で進めています。

もう一つは、AIの導入です。例えば、銀行で企業を評価する際、営業店の評価と本部の評価に齟齬が発生することがあります。そうした評価に関わるやりとりをすべてデータに落とし込んで分析していけば、問題の原因がわかるはずです。

現段階ではAIをバックオフィスで使うのか、フロントで使うのかということよりも、銀行内にどんなデータがあって、学習データとしてどんなものが使えるかを調べていきたいと考えています。

弊行は従来の銀行では行なってこなかった取り組みをしてきたことで、本来なら銀行に声がかからないところでも、お声がけいただけけるようになりました。メディアを通して、お客さまも我々の取り組みやイノベーションについてご認識いただいております。富山第一銀行は新しいことをする、新しいサービスを提供しているというブランディングにもなっています。

富山県には地方銀行が3つ、信用金庫・信用組合が9つあります。今までの預金・融資・為替という銀行業務だけでいくと、この序列は簡単に変わることはありません。地上戦ではもう変わらない。けれど、デジタルの分野では戦える。実際、私たちのイノベーション施策が加速してから、75年の歴史の中ではじめて追われる立場になりました。デジタルという空中戦で、私たちは先を走ることができた。我々は今までのビジネスモデルをデジタルで変えて、銀行のバージョン2.0を作っていきたいと思っています。

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地域になくてはならない、信頼され、評価される銀行を目指します。

当行は「限りなくクリア(透明)、サウンド(健全)、フェア(公平)」を経営理念として、お客さま、株主の皆さまから支持され、市場から評価される銀行を目指して「健全経営・効率経営」に積極的に取り組んでまいりました。

この方針は、今後も堅持し、従来にも増して地域経済の発展に寄与し、地域金融機関としての位置づけをさらに強固なものとするため、一層の体力強化を図り、経営理念に基づいた業務活動を推進してまいります。

また、こうした経済的価値に加え、社会的価値の向上を図る観点から、コンプライアンス態勢を一層徹底し、引き続きお客さま、株主の皆さまから信頼され、評価される銀行を目指してまいります。

富山第一銀行

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