成長企業向けNo.1法人カードUPSIDER。
カード発行における審査プロセスに、金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」のプロダクトの一つであるLINK APIを利用している。
2020年9月から1年間で決済金額は15倍強に成長し、2021年3月の資金調達以降も月次30%以上の高い成長率と、解約率0.5%以下の高い利用継続率を維持している法人カードについて、代表取締役の宮城 徹 氏、Growth Partnerの小室 良真 氏にお話を伺った。
開示情報が一切なく、オフィス、サービスリリースや開発実績もまだない状態でした。マネーツリーのように、金融データをAPIで提供しているアグリゲーター数社に問い合わても、私たちの話を聞いてもらうこと自体、なかなか難しかったですね。
そんな中、縁あってマネーツリーのオフィスに行くことがあり、それだけではなく「何やりたいの?」と話を聞いてくださったんですよね。私たちが「こういうことやりたくて」と話していたら、役員の方も出てきて「面白そうじゃないですか〜」って(笑)
創業したての私たちがマネーツリーに支払いできるのかや事業規模よりも、私たちのサービスと私たちに興味を持ってくださって、「やりましょう」と言ってくださったところからUPSIDERの法人カードは始まりました。
私たちのように、創業したては色々なところにご連絡しても断られて、話を聞いてもらうのも少し難しい時期だと思います。なので、話を聞いてくれただけではなく共感までしてくれて、「面白そう、やりましょう」とマネーツリーが言ってくれたことが一緒に事業を行うことになった経緯です。
他に選択肢がない、私たちが選べる立場じゃなかったというのが正確で、マネーツリーに救ってもらったというのが正しい表現ですね。ご縁以外の表現はないです。
LINK APIの実装にかかった期間は1ヶ月程度でした。実装に関連する質問にもマネーツリーが迅速に回答してくれたこともあって、導入は非常に簡単で滞ることはありませんでした。
限度額の設定を行う際の1つのデータソースとして、Moneytree LINKから情報を取得しています。一機能として、というよりもUPSIDERの法人カードを提供する上でなくてはならないですね。
銀行APIの活用にはマネーツリーのような金融データをAPIで提供しているアグリゲーターとの協業を前提にしていたので、各金融機関との接続交渉や開発はプロフェッショナルにお任せしました。
私たちは、“UPSIDE(成長可能性)”というビジョンを持って、一貫した世界観で事業を行っています。UPSIDE(挑戦している)がある人たちに向けてのサービスを作っていますし、挑戦している人たちがより活躍しやすい社会にしたいですね。金融にまつわるサービスを提供する事業者として、果たすべき使命だと考えています。
日本経済を支え、人々の暮らしを豊かにしてきたSONYやトヨタのような大企業も創業したばかりの頃はベンチャー企業でした。事業を拡大したいけれど資金繰りが厳しい、そんな彼らを支えたのは銀行でした。今とはリスクの取り方が違う面もあると思いますが、当時の銀行の金銭的支援が企業を後押しし、企業は事業を拡大してその先の経済を作りました。そんな風に、次の数十年の経済を作っていく企業の金融のパートナーになって、成長企業が持つ資金面の課題解決、後押しをスケーラブルにやりたいと考えています。
「上場のための法人カード」というメッセージを掲げ、これまで成長投資に見合う利用限度額を得られなかった企業に対して、柔軟に限度額を提供しています。
特に多くの利用者がいる後払いでは、Moneytree LINKから取得した銀行の入出金データをAPIで取得し、限度額設定の審査に利用しています。
特徴は、他の法人カードと比較して10倍以上の利用限度額を提供したり、カード発行における審査期間が短く、早くご利用いただけることです。特に、利用限度額の大きさは、私たちの法人カードがお客さまに選ばれる大きな理由の一つですが、審査のプロセスでMoneytree LINKから取得したデータをソースにすることで実現できています。
一般的な法人カードの発行手順と比べると、用意していただく書類の少なさやプロセスの簡単さに「こんなに簡単でいいの?」とお客さまに驚かれます。
UPSIDERカードをご利用されているお客さまの成長に合わせて、スピーディかつ柔軟に利用限度額の引き上げに対応しています。お客さまの事業を後押ししてさらに成長していただくために、お客さまを「審査」するといった対応ではなく、チームメンバーのように事業成長に伴走します。
私たちは、法人カードという立ち位置ではありますが、決済、会計、ガバナンスの全てを解決するBtoB向けのソフトウェアを開発している企業としてサービスを提供しています。
使い方に関しては、リアルカードとバーチャルカードという形で2種類発行しています。通常は、1枚のカードに複数の利用明細が記録されます。なので、利用明細を確認しながら部門や利用者ごとに仕訳する作業が発生します。しかし、UPSIDERカードは用途や部門、目的に合わせて何枚でも発行が可能なので、カードごとに利用明細が確認でき、管理がしやすい設計になっています。基本的に、決済を行ったあと、リアルタイムで管理画面に利用明細が反映されます。そのため、月末に決済された場合でもその会計処理についてはスピーディーかつ会計ソフトへの連携機能もあるので、会計処理などで経理担当者の皆さまに喜んでいただいています。
ガバナンスという点では、管理画面上で法人カードの権限や利用上限などもコントロールできます。また、利用明細もリアルタイムで確認することができます。
カードごとに月間利用額の制限を設けることができ、例えば社員の経費精算用にカードを付与している場合、カードごとに利用可能額を5万円、10万円と予算の設定ができるので使い過ぎ防止も可能です。
これらは全て法人カードの管理画面上で操作し設定できます。
カードを使わない場合や紛失などによる一時利用停止、利用解除もコールセンターに電話をかける必要なく、管理画面上からお客様自身で設定することが可能です。
リアルカードの券面もカードの管理画面も、余計な情報を載せない引き算のデザインにこだわっています。管理画面を使用する体験や、リアルカードが手元に届く体験を良くしたいのでUI/UXには非常にこだわっていますし、こだわり続けています。
UPSIDERを起業する前は、宮城氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーのロンドン支社で銀行オープンAPI等のデジタル戦略策定、手数料体系や店舗配置の最適化等、大手金融機関の全社変革プロジェクトに携わっていました。
その頃(2016年〜2017年)は銀行APIがオープン化され、銀行業免許がベンチャー企業に解放されるなど、規制緩和によって金融業界に新たな風が吹き、新しいサービスや革新的な技術が生まれていました。
スマートフォンの画面にどのようなアプリがあるかで人の思考が現れると思いますが、Fintechオタクだった私のスマートフォンを開くと仮想通貨取引アプリのCoinbase、チャレンジャーバンクアプリのRevolutやMonzo、BNPLのKlarnaなどあらゆるFintechサービスがアプリとして入っていました。それを日頃使うのが楽しいし、これらのUI/UXに感激しました。
当時、色々な金融サービスに触れましたが、その中でベンチャー企業が金融業界を圧倒的なUI/UXでエンジニアと変えていく。その背景には、銀行APIオープン化の規制緩和による大きな波を、コンサルタントとしてもひとりのFintechオタクとしても感じていました。
圧倒的なUI/UXに夢中になっていたことが創業の一番大きな理由です。
エンジニアの力で企業向けサービスの体験を良く変えていくことは意義があることだと考えているので、これからも圧倒的にUI/UXにこだわり続けたいですね。
東京商工リサーチの調査(公開日付:2021.09.21)によると、国内107銀行がコロナ関連支援で2021年3月期の中小企業向け貸出が過去最高となった。コロナ禍当初、銀行では企業の赤字補填、資金繰り支援で積極的に貸出を実行してきたが、2021年4月以降は本業支援に軸足を戻しつつあり、アフターコロナに向けた企業の財務健全化や事業拡大支援が注目されている。
コロナ禍でも企業の資金繰りを支え、お客様を「審査」するのではなく、チームメンバーのように同じ目線で事業拡大を支援しているUPSIDER。
同社は、2021年3月のシリーズBのエクステンションラウンドを実施し、シリーズB合計で約38億円を調達。海外投資家のGreenoaks Capital(同社は米国でBrexやRobinhood、Stripeなど複数のFintechユニコーン企業に出資)および既存投資家であるGlobal Brainを第三者割当増資の引受先としており、三菱UFJ銀行等からの追加融資枠の確保も発表し、注目され期待を集めている。
写真撮影場所:WeWork 日比谷 FORT TOWER
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