LINKブログ
/
SDGsに企業はどう向き合うべきか〜脱炭素で始める金融データの利活用〜
データ

SDGsに企業はどう向き合うべきか〜脱炭素で始める金融データの利活用〜

ビジネスディベロップメントディレクター: 山口 賢造
2022
06
23

6月22日に開催されたFINANCE FORUMで、データ利活用によってグリーンな消費行動を後押しする「Green Fintech」についてご紹介させていただきました。このブログでは、夏に開催を予定しているビジネスディベロップメント ディレクター 山口賢造が解説するウェビナーのコンテンツの一部をご紹介します。

顧客にとって本当に価値のあるデータ利活用とは何か、データを使ってどのようなことが実現できるのか、これまで、IT企業でアプリ開発のプロジェクトマネジャーなども経験し、多くの企業様のアプリ開発のご相談にもかかわった立場から、少しでも現場で企画に奮闘している皆さまの参考になればと思っています。

過去10年で変わった金融のアプリのあり方

先日、マネーツリーは創業10周年を迎えました。おかげさまで、金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」も多くの企業様にご採用いただき、資産情報を一元管理しわかりやすく可視化できるという体験は、広く浸透してきたと思います。(資産管理サービス「Moneytree」

販売チャネルの見直しが進む中、多くの金融機関様にとって、使い勝手の良いモバイルアプリはなくてはならないサービスとなり、どんなことをアプリで実現するのか、日々さまざまなご相談を受けてきました。

そして、2018年の改正銀行法施行以降オープンバンキングが進み、新しいサービスを企画、実現していく中で、次のステップとして、顧客との定期的な接点の創出のための「データ利活用」への注目が高まっています。

データ共有の意義や価値をしっかり定義すること

「データの利活用」というと、企業側の目線で商品販売のためのマーケティングへの活用、ということを真っ先にイメージするかも知れません。「どのように活用したらいいかわからない」、「プライバシーに配慮しなければいけないのでハードルが高い」という担当者からの声をよく聞きます。

まず、どのような場合に自分のデータを共有したいと思うのか、顧客目線での「データの利活用」から考えてみるのはどうでしょうか。

近年は、新型コロナウイルス感染拡大や世界情勢の変化、SDGsへの意識の高まりで、金融モバイルアプリのメインターゲットとなる資産形成層の生活の意識は変容しています。

消費者の意識は消費や投資の「質」にも向けられるようになりました。そして、脱クッキーや海外のGDPRの流れを受けてパーソナルデータに対する考え方にも変化が起こりました。創業当初よりマネーツリーが重視してきたことでもありますが、「自分のデータは自分のもの」という考え方が幅広く浸透してきました。(プライバシー保護とデータ利活用のバランス点を探る|2019 FINSUM セッションレポート)データ共有の意義や価値をしっかり定義して明確に示すことが、顧客へのエンゲージメントを高め、サービス成功の鍵となります。

「パーソナルデータの提供意向と利用目的」

総務省が行ったパーソナルデータに関する消費者の意識に関する調査研究では、公共の目的で用いる場合に提供してもよい(「提供してもよい」又は「条件によっては提供してもよい」)と回答した割合が、「製品の機能向上やサービス品質の向上」など、企業等の事業目的に用いる場合に比べて高くなっています。(出展:総務省2020「データの流通環境等に関する消費者の意識に関する調査研究」

顧客の問題意識に訴えるサービス戦略

例えば、顧客に購買や投資を提案するときに、その背景にある問題意識にフォーカスして、データで現在の姿と理想の姿のギャップを示すことで行動変化を促します。その結果、顧客自身の生活がより良いものになることが「データの利活用」の価値なのです。そこには潜在化しているニーズもあり、積極的な働きかけで新たにニーズを作り出せる可能性もあると考えています。

ここでは、個人の生活にも良い影響を及ぼすことが期待される「Green Fintech」におけるデータ利活用を取り上げてみたいと思います。少し未来の話のようですが、すでに多くの企業戦略に「SDGs」という言葉が盛り込まれているように、グリーンでサステナブルな経営戦略がさらに意識されるようになってきています。それは、企業の社会貢献活動のみならず、企業が提供するサービスにも反映されていくでしょう。海外ではすでに、会計指標に定められ、投資の判断の一つとされています。消費者意識の高まりへの対応と、企業の責務としての取り組みは避けて通れない課題となっています。

株式会社博報堂が全国の15〜79歳、1,400人の生活者を対象に実施した調査では、SDGsの17の目標の1つである「脱炭素」の取り組みは、「大企業や政府だけでなく、生活者である自分たちも取り組むべきこと」という認識を持っている人が約8割と高い結果が結果が出ています。その一方で、「何をすればいいか分からない」「情報がない」という理由で取り組めていないという人がほとんどでした。

多くの生活者にとって脱炭素は「生活の身近なことで協力できること」ではなく、「出費や手間が伴う大変なこと」というイメージが先行しているようです。(出展:博報堂「生活者の脱炭素意識&アクション調査」

サステナブルな消費者や企業が恩恵を受けるサービス「Green Fintech」

海外では、消費者の意識の高まりに対応すべく、すでに“Green Fintech”を推進するデジタルバンクが次々に登場しています。

海外のあるTech企業は、CO2排出量を測定・可視化する技術を開発し、その可視化されたデータをもとに利用者の消費行動をよりサステナブルなものへと促し、環境にやさしい商品を購入することで利用者が環境保護への意識を高め、さらにリワードも得られるといったサービスを提供しています。

私たちマネーツリーが提案するデータ利活用のアイディアの一つは、PFMアプリを通じた「脱炭素」の取組みです。

PFMを通じてデータを取得、AIでカテゴリに仕訳けられたデータで利用者の消費傾向を分析、環境に配慮した消費行動を提案することができます。

エコな商品の購入、社会貢献になる投資やエシカルな消費に対する個人の貢献度が可視化され、地域で活用できるインセンティブがついたり、社会貢献度の高い消費者に選ばれる企業を評価するようなサービスや制度を金融機関として提供してみるのはどうでしょうか。

まずはデータを蓄積するための接点を

マネーツリーは、自分のデータを自分の好きなサービスに持っていくことができる「データポータビリティ」を実現しています。Moneytree IDを起点としたデータポータビリティによって、消費者の行動を脱炭素へ導く取り組みを提案します。この仕組みをつかう事で資産情報を取り入れた自社サービスが容易に展開できます。

そのためには、まずはデータを蓄積するための接点をつくることが不可欠です。サービス企画という面で、マネーツリーでは、過去の実績に基づく経験や技術、パートナーサービスの活用も含めたご提案やサポートが可能です。国内外のGreen Fintech企業との取り組みも検討しています。今後もフィンテックパートナーとして、金融機関様の中長期の課題解決をお手伝いします。

(マネーツリーの10周年サイトで「プライバシーとセキュリティに配慮した自由で活発なデータ活用の先にある未来」をご紹介していますので是非ご覧ください。

夏に開催を予定している自社ウェビナーでは、国内外のエンゲージメントの高いGreen Fintechの具体的な取り組みや実例をご紹介いたします。また、顧客のニーズや社会のトレンドを捉えて、データを使ってどのようなことが実現できるのかを解説します。

サステナブルなデータ利活用にご興味がある方は、ぜひ以下のボタンからご登録いただければいち早くウェビナー情報をお届けします。

皆さまのご参加をお待ちしております!

Green Fintech ウェビナーに申し込む

筆者プロフィール

ビジネスディベロップメントディレクター: 山口 賢造

マネーツリーのビジネスディベロップメントディレクターの 山口 賢造。ビジネスディベロップメントディレクターとして、市場動向やニーズの把握、金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」の市場浸透に従事。

Share this article

当社ウェブサイトは、外部サイトへのリンクを含んでおります。リンク先サイトでの個人情報への取扱いに関しては、そのリンク先サイトでの個人情報保護方針をご確認ください。 当社の個人情報保護方針はそのリンク先サイトで提供されている内容に責任を負うものではありません。

関連記事