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オープンAPIが大活躍する 「金融サービス仲介業」
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オープンAPIが大活躍する 「金融サービス仲介業」

マネーツリー編集部
2020
05
01


2020年3月に「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案」という名称の法案が提出されました。この法案が施行されれば、新たに「金融サービス仲介業」という仲介業を創設されることになります。

現在、スマホが広く普及し、オンラインで各種金融サービスの提供が広く行われています。仕事や生活が多様化しており、利用者がさまざまなサービスの中から、自分に最適なものを選べることを目的とした金融サービス仲介業は、大きな注目を集めています。

金融サービス仲介業はこれまで縦割りだった銀行、証券、保険のサービスをまとめるものです。これまで事業者は銀行サービスであれば銀行代理業者、証券サービスであれば金融商品仲介業者、保険サービスであれば保険募集人、保険仲介人など、それぞれに代理、仲介を行うための許可や登録の手続きを行い、それぞれの規制に対応する必要がありました。

この金融サービス仲介業が創設されれば、事業者は「金融サービス仲介業」にだけ登録すれば、銀行、証券、保険の仲介ができるようになります。事業者はスマートフォンなどのアプリなどを使って、それらのサービスを横断的に仲介する金融ワンストップサービスを提供できるようになるのです。

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仲介業だけでなく金融機関にも大きなメリット

現在のところ、金融サービス仲介業で取り扱いが可能なサービスとして、銀行サービスでは普通預金や住宅ローン、証券サービスでは国債や上場株式、投資信託、保険サービスでは傷害保険や旅行保険、ゴルフ保険などが参考として挙げられています(詳細については政令で指定される)。

イメージしやすい例としては、PFM(個人資産管理)サービスで家計簿アプリなどを提供している事業者が考えられます。PFMサービスは蓄積されている利用者の支出などの情報を元に「こんな投資や保険サービスがあなたにオススメです」とその人に合った提案を行うことができます。

たしかに利用者の情報を持つPFMサービスなどの事業者が金融サービス仲介業になると、これまで銀行、証券、保険サービスを取り扱ってきた金融機関にとって新たなライバルになる可能性もあります。しかし、金融サービス仲介業自体はあくまで仲介するだけで、金融商品を持っていません。金融サービス仲介業が登場し、彼らと手を組むことで、金融機関は自社商品の販路を増やせる大きなチャンスになります。

金融サービス仲介業の創設は、利用者にとってもメリットがあります。金融商品を扱う事業者が増えて、事業者間で適切な競争が行われれば、利用者の選択肢が増える、利用料金が安くなるといったことが考えられます。

さらに事業者と銀行のデータを安全かつ正確に連携できるオープンAPIによって、利用者はより安心してサービスを利用できるというメリットもあります。

金融サービス仲介業の可能性を探る

安全で短期間、低予算でサービス構築可能なオープンAPI

これまでも家計簿アプリなどの個人資産管理サービスで銀行のデータと連携し、その残高をアプリ上で確認できるといった仕組みがありました。しかしこの場合、サービスを提供する事業者に銀行のインターネットバンキングなどのIDやパスワードを預けなければなりません。事業者は利用者の代わりに銀行のシステムにログインしていましたが、セキュリティや情報の正確性において課題が残っていました。

銀行によるオープンAPIは金融機関がシステムへの接続仕様を公開し、契約を結んでいる外部事業者のアクセスを認めることで、銀行と事業者がデータ連携できるようにする取り組みです。またこのオープンAPIによるデータ連携では、IDやパスワードを事業者に預けない仕組みになっています。利用者自身が銀行のシステムを通して利用したいサービスに対して、データ連携に関する許可を与えるため、安全かつ正確なデータ連携が可能になっています。

金融サービス仲介業では、このオープンAPIがひとつのポイントとなります。オープンAPIを利用することで、事業者は低予算かつ短期期間で銀行とデータ連携ができます。これにより、利用者に最適さまざまなサービスが誕生が次々に誕生するのではないでしょうか。

いっしょにビジネスモデルを考えましょう!

マネーツリーでは、Moneytree LINKという金融プラットフォームを提供しています。Moneytree LINKは現在、国内約2,700社以上の銀行口座(個人、法人)、クレジットカード、電子マネー、ポイントカード、証券口座の取引明細が一つに集約させることができます。

これまで、融資や資産形成のアドバイスなどでは、金融機関の営業員やファイナンシャルプランナーと面談してもらうものでした。その際、必ずといっていいほど「資産状況、最近のキャッシュフローはどうなっていますか?」と聞かれます。資産は日々変わるものなので当然ですが、相談する側としては少々面倒。できれば、同意の上であらかじめアドバイザーに自分の情報を渡し、面談の際には分析を元に具体的な提案をもらうほうがいいはずです。マーク マクダッドがオープンAPIの未来として、そうしたカスタマージャーニーをご提案しています。

また、相談する側としては提案される金融商品や融資は、そのアドバイザーが所属する金融機関だけではなく、幅広い選択肢の中から最適なものであって欲しいものです。金融サービス仲介業では、仲介業者がいずれかの金融機関に所属する、指導を受けている必要がなくなったため、より中立性が高い金融商品を提案してもらえるようになります。

マネーツリーは、金融サービス仲介業が創設された後も、これまでと同様に、自らプレイヤーにはならず、各サービスのサポートを行う中立的なプラットフォーマーです。Moneytree LINKは、金融機関に属さない新たに誕生する金融サービス仲介業と非常に相性がいいプラットフォームになります。

もちろん同意をもらえれば、Moneytree LINKに保管されている利用者の情報をさまざまな優れたサービスで活用できるデータポータビリティも実現しています。

マネーツリーは金融サービス仲介業の創設後も、よりよい利用者のカスタマージャーニーをデジタルサービスで提案したいと考えています。

まだ全貌が明らかになった訳では無く、これから様々な可能性を秘めている金融サービス仲介業に対して、ぜひいっしょに新しいビジネスモデルを考えていきましょう。

金融サービス仲介業の可能性を探る


マネーツリー編集部

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