近年、DX(デジタルトランスフォメーション)のニーズがますます高まっています。
そもそもDXとは、デジタルへの移行でデータの蓄積・活用がしやすくなった結果、業務効率化、自動化による時間短縮、利用者が使いやすいサービス提供などを実現することです。価値あるDXをおこなうために重要なのは、良質なデータを安定的に蓄積し、活用すること。自社が活用したいデータに対しどのようにアクセスするかが、DX成功に向けた第一歩となるのです。
DXの一環として金融データの活用を視野に入れる企業も多いことでしょう。金融データを取得するには、2つの方法があります。
マネーツリーは、電子決済等代行業者として2,500以上の金融データを連携(そのうち1,000行以上とAPI連携)し、APIとして95社以上のサービス事業者への提供実績があります。金融データ連携のプロフェッショナルとして、銀行APIの連携方法(自社および委託する場合の比較)、電子決済等代行業者を選ぶ際のポイントについてわかりやすく説明します。
はじめに、a. 銀行と契約し、銀行APIを直接サービスに連携する方法について解説します。具体的な契約方法や連携までの開発工数は各銀行によって異なりますが、1,000行以上とAPI連携を行ってきたマネーツリーが経験した主な連携方法についてご紹介します。
銀行APIに接続しデータを取得するには、銀行APIへの接続(初回の契約~API公開)にかかる作業と、銀行API接続を継続するための作業の両方が必要となります。
電子決済等代行業者に登録するには、セキュリティ面やデータの管理などの厳しい監査をクリアする必要があります。(電子決済等代行業者について詳しくは『電子決済等代行業者とは』をお読みください。)
銀行API連携にかかわる契約(ステップ 2-4)には最低8週間、API連携に必要となる開発およびリリースまで(ステップ 6-10)には最低3ヶ月程度を要します。
銀行APIを接続した後は継続するために一行一行と定期的に発生する作業を説明します。
銀行APIの接続状況は常にモニタリングし、障害等発生時には関係金融機関に速やかに連絡、障害解消に努めねばなりません。障害の規模によっては金融庁への報告もおこないます。(マネーツリーでは24時間体制のシフトを組んで、障害の発生に備えています。)
API契約を締結しているすべての銀行(マネーツリーでは約100行)に対し、年次モニタリングの義務が個別に発生します。年に1〜2回、500個以上の設問からなるセキュリティチェックリストへの詳細な回答を求められます。その他、決算書類や株主名簿など、多岐にわたる書類の提出も必要です。銀行員がオフィスを訪問し、各セキュリティ管理実態を確認することもあります。ひとつの銀行のモニタリングに、数時間から20時間程度の時間を要します。
銀行APIの契約期間は、ほとんどの銀行で1年です(半年のケースもあります)。場合によっては契約期間ごとに再度交渉・契約更新をおこなう必要があります。スムーズに合意に至ることもあれば、1年半以上にわたって交渉を続けるケースもあります。
毎年、金融庁に対して電子決済等代行業に関する報告をおこなう必要があります。(年次報告以外にも、新たに銀行API契約を締結した場合、またスクレイピングから銀行APIへ移行する予定時期が変更になった場合などにも、都度報告義務が生じます。)
銀行側のAPIシステムがアップデートされるたび、API仕様書や基盤更改等に関する対応が発生します(マネーツリーでは年間20〜30件程度)。またAPI連携開始後に一部仕様が変更されることもあります。このような場合、前述の「銀行API連携の流れ」と同様の手順を踏みつつ、最新の仕様書のレビュー、影響調査、開発、テスト、リリース、その後のモニタリング等を実施する必要があります。1件につき2〜3ヶ月、時にはそれ以上の期間を要することもあります。
このように、自ら電子決済等代行業者となり銀行APIに直接接続するには、多大な労力・時間がかかります。金融データの取得を考える際には、次に紹介する電子決済等代行業者への委託をご検討いただくのが良いでしょう。
b.電子決済等代行業者に委託し金融データを取得する方法について解説します。例としてマネーツリーにご依頼いただく場合は、以下のような導入手順を踏みます。
銀行APIの連携や継続は電子決済等代行業者の責任です。そのため、銀行API連携を電子決済等代行業者に委託する場合は、サービス事業者が行う対応は電子決済等代行業者との契約手続きおよび連携開発のみです。各銀行や金融庁とのやり取りは発生しません。
マネーツリーは電子決済等代行業者として約100社のサービス事業者に導入いただいており(2022年10月現在)、API連携の豊富な知見を有しています。検証・実装まで合わせて1ヶ月程度でスピーディに連携した実績もございます(日本初のオンラインレンディングサービスを提供しているLENDY株式会社様の事例)。
それでは、銀行APIを電子決済等代行業者に依頼する場合、どのようにパートナーを選定すればよいでしょうか。
現在、全国で110の電子決済等代行業者が登録されています(2022年10月11日 現在。電子決済等代行業者の一覧はこちら)。その中から自社の目的に適した業者を見つける際のポイントをご紹介します。
電子決済等代行業のサービスは2つに分類されます。
自社にはどちらが必要なのか、必要なサービスを提供しているのはどの電子決済等代行業者か確認しましょう。
どの銀行(個人、法人)に対応しているのか、対応している銀行の数など必ず確認しましょう。
どのようなサービスと連携した実績があるのかもチェックすると良いでしょう。どの分野の対応実績が豊富か確認することで、自社の提供したいサービスとスムーズに連携できるか判断する際の材料になります。
その他には
なども各事業者によって異なります。事前に確認しておきましょう。
また技術面以外に
も重要です。ビジネスパートナーとして、自社と共有できる企業価値観があるかどうかもチェックしましょう。
以上を踏まえた上で、電子決済等代行業者としてマネーツリーを選択いただくメリットをご紹介します。
2,500社以上との連携を、ひとつのAPIとして提供しています。また、未対応の金融機関との連携要望があった場合には、マネーツリーから該当の金融機関に個別相談可能な場合もあります。
連携する金融機関、利用用途や更新頻度とタイミングなどについて、個別にご相談いただけます。
ユーザー認証や利用者が金融機関を登録するフローをご提供しています。
シンプルなAPI仕様書により、サービス事業者の実装工数を大幅に削減しています。また開発時のプロダクトと障害時のサポート体制も充実しています。
銀行によっては、明細取得期限が前月の1日までとなっている場合がありますが、マネーツリーでは、一度取得した明細は利用者が削除あるいは退会手続きなどをおこなわない限り、期間の制限なく安全に保存し続けます。
マネーツリーはクライアント企業の事業に参入することはありません。黒子として、業界を問わず中立的にサービスの裏側を支えています。そのため、様々な業界へのAPI提供実績が豊富です。
金融データの可視化や抽出、利用者の金融行動の傾向把握など、データ活用を支援するツール(LINK Intelligence)を提供しています。
マネーツリーでは2,500以上の金融サービスに対し、1利用者につき1つのMoneytree IDを付与することで、利用者の意思によってさまざまなサービスに自身の金融データを持ち運べる「データポータビリティ」を実現しています。「Moneytree LINK」の連携サービス、および資産管理サービス「Moneytree」上で、すでに多くのMoneytree IDが登録されています。事業者が魅力的なサービスを提供することで、サービス開始当初から利用者の連携が期待できます。
マネーツリーは資産管理アプリ「Moneytree」を2013年に提供開始以来、2,500以上の銀行口座(個人・法人)、クレジットカード、電子マネー、ポイントカード・マイル、証券口座の取引明細がひとつに集約された、自社サービスを大きく成長させる金融データプラットフォーム「Moneytree LINK 」を提供しています。
Moneytree LINKはメガバンク、地方銀行、会計ソフト、スタートアップなどさまざまな業界に、利用者の同意のもと、APIとスクレイピングで連携された金融機関の取引明細などの情報をひとつのAPIに束ねて提供しています。
銀行APIや金融API連携について、Moneytree LINKを導入して実現できるプロダクトについてご相談されたい方はこちらからお問い合わせお待ちしています。
またMoneytree LINKについてもっと知りたい方はこちらからMoneytree LINK概要資料をダウンロードいただけます。技術面、開発について確認されたい場合はAPIの仕様書をダウンロードいただけます。
ご紹介したように、金融データの利活用にあたって、銀行API連携を自社でおこなうには多大な労力と時間を要します。銀行API連携は電子決済等代行業者に委託するのがおすすめです。マネーツリーは電子決済等代行業者として95社以上にご導入いただいており(2022年10月現在)、API連携の豊富な知見を有しています。銀行API連携をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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