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カスタマーファーストのDX戦略、カギは優れたUI/UX|Winter FIT DBX イベントレポート
デジタル化

カスタマーファーストのDX戦略、カギは優れたUI/UX|Winter FIT DBX イベントレポート

マネーツリー編集部
2021
01
22

はじめに

クラウドやAI、オープンAPIの普及で、金融サービスのあり方は大きく変わろうとしています。フィンテックをはじめ、データを基点とする新たなビジネスモデルも登場しています。ますますデジタル・トランスフォーメーション(DX)が加速する中、顧客に選ばれるサービスを提供するには、安全性と優れたユーザー体験(UI/UX)が一体となって提供されることが不可欠です。

2020年12月に開催された日本金融通信社主催の「デジタルバンキング展」にて、「優れた金融体験が生み出すカスタマーファーストのDX戦略」と題した講演を行いました。

講演では、海外の金融サービスDX事例を交えながら、データ活用の意義、潜在ニーズを顕在化させるデザイン思考を起点としたサービス開発などをマネーツリー株式会社のビジネスディベロップメントディレクター 山口 賢造が紹介しました。

海外の優れた金融サービスDX事例

そもそも、「DX」とはどのようなことを指すのでしょうか。はじめに、音楽業界を例に分かりやすくご説明します。

音楽の記録媒体は、古くはアナログのレコードでした。そこにデジタルのCDが登場し、更に今ではMP3などの音楽ファイルをデータで購入するのが当たり前になりました。これが典型的なDXです。今ではSNSの発展にともなって音楽を公開、共有するということも容易になり、音楽業界のDXは高いレベルまで来ています。それが今後金融業界にも起こると考えられます。

それでは具体的に、海外の金融サービスのDX事例を見ていきましょう。

米国:Google Plex

「Google Pay」からバージョンアップし、支出や資産管理機能が追加されました。既存の銀行のネットワークを使った新サービスの展開を考えており、Plex Accountを作れば銀行口座がすぐに開けるようになります。既存の銀行と、「検索」や「AI」といったGoogleの優れた技術が合わさり、市場に進出していくでしょう。個人間送金やGoogle Payを使ったロイヤリティポイントの発行もでき、申請すればデビットカードが発行可能です。日本は現金主義が強く、現金感覚で使えるデビットカードとの親和性は高いと考えられます。日本でも同じような流れが起きるかもしれません。


米国:Apple card

「Apple Pay」、資産管理機能、クレジットカードをベースにサービスを展開しています。米国では非常に人気があり、感性に訴えかける直感的なインターフェースを採用しているのが特徴です。買い物の明細を表示する際、「Apple Cardで1,000円」ではなく「Starbucksでコーヒーを1,000円」といった詳細な購買情報をMastercardから取得して表示する点なども、ユーザーのことを良く考えていると感じます。

スウェーデン:Tink

「Tink」は、データアグリゲーションの技術と資産管理機能(PFM)を銀行に提供しています。SBABというスウェーデンの銀行に対して、データアグリゲーションをAPIで提供したケースでは、自行だけでなく他行の情報も連携し、住宅ローン金利の提案をできるようにしました。その結果、営業コストをかけずに、1年間で約5万人の乗り換えを実現。このような最新技術を老舗のSBABが採用したことで、若年層の獲得に貢献しました。


米国:Plaid

「Plaid」は2020年1月にVisaが5,800億円で買収したことで、米国、カナダ、欧州でも知られています。先日、MicrosoftにPlaidのAPIが提供されました。自分専用の金融データのチャートなどを作りたいときに、Excel上で銀行APIを通じリアルタイムのデータを取得して、簡単でカスタマイズ性の高いグラフやチャートを瞬時に作れる機能を発表。面白い機能として非常に話題になりました。

海外で成功している、金融サービスのDX事例を紹介しました。いずれも優れたUI/UXを持っていたり、パートナーシップをうまく活用していたりするのが特徴です。金融サービスとしての安全性はもちろん、優れたユーザー体験(UI/UX)を提供できるかどうかが、DX成功のカギなのです。

※Appleは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。

※Google、Google PayおよびPlex はGoogle LLCの商標です。

※その他本文中に記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

 安全性と優れたユーザー体験を実現した「Moneytree ID

マネーツリーでは、「Moneytree」というB2Cのアプリ、そしてメインビジネスである「Moneytree LINK」という金融データプラットフォームを提供してきました。金融という、それまでアナログだったものをデジタルで活用する、まさにDXのサービスです。

特徴的なのは、「Moneytree ID」という共通IDの存在。Moneytree IDがあれば、利用者は蓄積したデータを様々なサービスに持ち運び、安全に連携することが可能となります(データポータビリティ)。我々はいかに利用者が使いやすいか、というところにフォーカスしてサービスを展開しています。


マネーツリーは安全性と優れたユーザー体験を重視しながら、革新的な金融サービスを提供してきました。2013年にリリースした個人向けアプリ「Moneytree」は、二年連続でApple社のベストアプリ賞を受賞しています。

「『Moneytree』のデータを会計システムに連携できないか」という声を受け、2015年には大手会計会社に、データを集めるアカウントアグリゲーションの技術が採用されました。これが「Moneytree LINK」の始まりです。その後2016年に、スタートアップとメガバンクがテクニカルに連携した最初の事例となる、みずほ銀行様のアプリに採用されました。

現在、「Moneytree LINK」は、世界屈指の規模を誇る金融データプラットフォームに成長しており、Moneytree IDを保有する利用者は500万人以上にものぼります。

Moneytree IDを介し、企業と利用者をつなぐ中立的なプラットフォーマーであることが、我々マネーツリーの役割です。我々が金融のプレーヤーとなり金融機関の競合になることは、将来にわたってありません。お客さまのDXを手助けし、あくまでも中立性に根ざした公平なデータエコノミーを築くことを目指しています。

データ活用を意識したサービス開発を

ここで改めて、これからは「利用者のことを熟知して、優れた体験を提供する事業者が選ばれていく」ということを強調しておきたいと思います。

例えば冒頭でご紹介した海外のDX事例、TinkやPlaidは様々なサービスとの連携に際してeKYCの技術をうまく活用し、利用開始までの負担をなくして利用者の利便性を高めています。我々マネーツリーも、中立的なプラットフォーマーとして、今後はKYC(本人確認)に力を入れていきたいと考えています。2020年8月、TRUSTDOCKと口座確認ソリューションを共同で開発することが発表されました。これは本人確認と口座確認をワンストップで提供する、新しいサービスです。与信評価を簡単に行うなど、様々な活用シーンが考えられます。


また今後は「金融サービス仲介業」がはじまることで、様々な業種から金融サービスへ参入してくるでしょう。このような流れの中で、我々マネーツリーは金融サービスのDX支援を進めるべく、「プロフェッショナルサービス」という新たなビジネスを立ち上げました。

「プロフェッショナルサービス」とは、金融サービス提供事業者との協働のもと、マネーツリーが持っている金融データのアグリゲーションテクノロジーと、これまでサービスを作ってきた設計や運用の知見とをご提供し、新たな顧客体験を創出していくものです。


「プロフェッショナルサービス」では、このような課題に対し、我々の持っている知見と金融機関様の持っている知見を合わせ、ワンチームで長期のフェーズで取り組んでいきます。

 

優れたUI/UXとパートナーシップで、高評価のサービスが誕生

最後に、「プロフェッショナルサービス」のモデルケースをご紹介します。

代理出金機能付信託「つかえて安心」専用アプリ by 三菱UFJ信託銀行

UI/UXの設計監修およびアプリ開発をサポートしました。口座の取引内容を確認できるのはもちろん、取引内容を見守る「閲覧者」が設定できたり、アプリ上から払出請求ができたりと、万が一認知症になっても安心してお金を使い続けることが可能に。様々な賞を受賞し、画期的な信託商品として話題になっています。

お金の自動管理アプリ「Mable(メイブル)」 by 三菱UFJ銀行

製品コンセプトの立案段階から参画し、機能定義、ビジュアルブランドの創造、アプリ全体の設計開発など、総合的に携わりました。単純な資産管理機能(PFM)だけではなく、「口座を分ける」機能がついているなど、銀行にしかできないサービスを実現しました。リリース後、アプリストアで高評価をいただいています。

いずれも金融機関とマネーツリーが培ってきた知見をともに活かしつつ、お客さまから高評価を得ることができました。

金融サービスのDXにおいて、顧客に選ばれるために大切なことは、安全性と優れたユーザー体験(UI/UX)が一体となって提供されることです。 

マネーツリーは、これからも中立的な立場から、日本にフェアなデータエコノミーを普及させてまいります。新たに立ち上げた「プロフェッショナルサービス」では皆様の良きパートナーとして、スタートアップマインドでイノベーティブなサービスを提供してまいります。今後のマネーツリーの展開にご期待ください。

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筆者プロフィール

マネーツリー編集部

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