2022年3月18日、日経FinTech主催の「金融デジタル戦略会議 -FinTech Impact Tokyo 2022 Springー」が開催されました。
マネーツリーは「入出金データ活用によるスコアリング精度向上 〜事業ローン・法人カード・個人向け後払いサービスでの活用事例〜」と題して、ビジネスディベロップメントディレクター 山口賢造とビジネスディベロップメントマネージャー嶋田光太が講演をおこないました。
その内容をハイライトでお伝えします。なお、講演動画(視聴時間24分)もご覧いただけます。こちらからお申し込みください。
マネーツリーは2012年に起業し、2013年より個人資産管理アプリ「Moneytree」のサービスを開始しました。2015年からは企業向けの金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」を展開し、現在メインのビジネスに成長しています。
Moneytree LINKを採用しているサービスの利用を開始する際には、まず「Moneytree ID」にご登録いただきます。Moneytree IDはメールアドレスとパスワードだけで登録でき、金融機関やクレジットカード、ポイントなどさまざまな資産情報をひとつに集約できます。Moneytree IDをお持ちのお客さまが、使いたいサービスに対して資産情報の開示を許可すると、資産情報の連携が可能になります。
2013年からの9年間で、Moneytree LINKには30億以上の取引明細データと2000万の口座情報が蓄積されています。データ元となる金融サービスは2500以上、Moneytree LINKを採用いただいている企業も85社を超えています。Moneytree IDをお持ちの方も550万人を超えており、業界屈指の金融データプラットフォームとなっています。
我々自身はプレイヤーにならず、金融データの裏側を支える黒子的存在に徹していることが安心材料となり、Moneytree LINKはさまざまな領域の企業にご採用いただいています。融資、与信の分野でもすでに7社にご採用いただいており、この領域に関するお問い合わせは非常に増えています。
近年、オンラインでの融資サービスが拡大している理由として3つの要因があげられます。
まずはオープンAPIの普及によって、非常に安定したリアルタイムな明細データの提供が可能になったこと。そしてそれによって異業種からの参入が活発になったこと。2021年11月から始まった金融サービス仲介業も、追い風になっています。最後にコロナ禍による非対面需要の拡大と、ペーパーレスによる業務効率化・迅速化(DX)です。
このような中で生まれ成功しているサービスには、よく似た特徴があります。
マネーツリーも、このような事業者の方々に金融データを安定して提供する役割を与えられています。それぞれが得意領域に集中し、優れたパートナーシップを構築しています。
オンライン融資サービスを導入するにあたり、既存事業者の方々は共通の悩みを持っていらっしゃるようです。マネーツリーが開催したオンライン融資のセミナーに参加された方々のアンケート結果をご紹介します。オンライン融資の導入に際して「社内体制の整備」や「既存融資との切り分け」といったことが、既存事業者の方々にとっては課題となっていることが分かります。
また、オンライン融資=AI融資のことだと思われる方もいらっしゃいますが、決してそうではありませんし、我々も融資業務のすべてがAIで完結できるとは考えていません。オンライン融資の導入をお考えの際は一気に100の効率化を目指さずに、段階的にゴールに近づけていくことをご提案しています。あくまでも金融DXの一環として、これまでの与信モデルを継続しながら、紙での作業を徐々にデジタルに置き換えていく。それだけでもヒューマンエラーの防止や負担軽減、プロセス短縮化につながるはずです。
このような取り組みを段階的に進めるなかで、入出金データを利用した融資サービスは利用者側・事業者側双方に非常に大きなメリットをもたらします。既存の事業者の皆様も、ぜひこの機会をビジネスチャンスととらえ、サービスを展開していただきたいです。
それでは、実際にオンライン融資を導入する際のポイントを3つご紹介します。
まず、入出金データを活用すること。Moneytree LINKをご導入いただくと、銀行残高、日付、金額、摘要欄など、リアルタイムで正しい金融データを取得でき、そのデータを活用してお客さまの現状を把握することができます。また売り上げの推移なども把握でき、入出金データとあわせて与信判断を行えるようになります。
次に、既存融資と切り分けることです。既存審査の枠組みを変更したりシステム改修したりと、既存の業務フローを変えるのはハードルが高いものです。実際、これまでにMoneytree LINKを活用して与信の仕組みを導入された企業はすべて、既存の仕組みとは切り分けて新たにサービスを立ち上げていらっしゃいます。
最後に、これは先程もお伝えしましたが良いパートナーを探すことです。現在すでに融資事業をおこなっている事業者様は、信用力や顧客基盤、資金力をお持ちのことと思います。そこにベンチャー企業、フィンテック企業の技術力を組み合わせ、パートナーとして連携すれば、オンライン融資の成功に大きく近づくはずです。
最後にMoneytree LINKを活用した融資サービスの具体例をご紹介します(※講演動画では、さらに多くの事例を詳しくご紹介しています)。
はじめに、オンライン完結型融資のLENDY様の紹介です。一般的な融資の場合、事業計画書等の必要資料を提出する必要があり、審査期間は1ヵ月程度かかります。しかしLENDYでは、5分程度のアカウント登録と、審査に必要な金融データをMoneytree LINKなどを通じて連携するだけで、審査結果を出すことができます。申し込みから最短で翌営業日での融資実行が可能です。
システム構築の役割分担は、フロントのUI、与信モデルなどはLENDY側で実施。与信の根拠となるデータとしてMoneytree LINKをご活用いただいています。
法人カード事業を展開するUPSIDER様にもMoneytree LINKをご活用いただいています。これまでの法人カードの課題点として、限度額の制限や、利用シーンが限定的であったことがあげられます。UPSIDERの法人カードはプリペイドカードに与信枠を付与し、従来の法人カードの10倍以上の限度額提供を実現しました。与信はMoneytree LINKを通じて取得した金融機関のデータを活用し、すべてオンラインで完結するため、最短即日での発行が可能となっています。
ご紹介したように、入出金データを活用した競争力の高い融資関連サービスが続々と誕生しています。ここではご紹介できませんが、ファクタリングサービスでもMoneytree LINKをご活用いただいています。
また、今後は個人向けの分野でも金融データの活用が期待されています。例えば個人向け後払いサービス。通常は利用限度額が決められていますが、金融データを活用し最初から使える金額を増やしたり、分割払いに対応したりといった使い方ができるのではないかと考えています。個人向けサービスは非常に裾野が広いため、さまざまなデータ活用方法があるはずです。ぜひ皆さんと一緒に新サービスを創出できればと思います。
テクノロジーの進展で、金融サービス開発のスピードが加速しています。繰り返しになりますが、オンライン融資サービスを成功させるには良いパートナーとの連携がカギとなります。オンライン融資サービスをご検討の方は、ぜひ一度マネーツリーにご相談ください。
本レポートではウェビナーのハイライトをご紹介しました。講演動画(視聴時間24分)もご覧いただけます。以下のボタンからお申し込みください。
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