金融データを用いたインサイトを提供していくマネーツリー データシリーズ。前回は、 現金派とキャッシュレス派の貯蓄についてお伝えしました。
コロナ禍で2度目の冬が訪れ、朝晩の冷え込みからヒーターや電気毛布などを使い始める季節になってきました。
日常的に光熱費が最も高い季節ですが、そこに加えコロナ禍ではリモートワークやステイホームなど、家にいる時間がより長くなっています。
おうち時間が増えることで気になるのが光熱費の増加ではないでしょうか?
リモート手当を提供する企業も増えていますが、カジナビの調査によると、平均的なリモート手当金は3,683円。
果たして補えているのでしょうか。
マネーツリー データシリーズ第4弾では、統計データ化されたMoneytreeアプリ利用者の金融行動データの一部分析し、おうち時間の増加で増えがちな光熱費にスポットライトを当てて、この質問に答えてみました。
以下の条件を満たすMoneytreeアプリ利用者の金融行動データを統計化し分析しました。
Moneytreeアプリの利用者情報は匿名化されています。
本調査は下記の2つの条件を満たすMoneytreeアプリ利用者を対象にしています。:
グループに当てはまった利用者ごとの以下の光熱費項目に当てはまる出費の月平均を計算しました:
※光熱費(カテゴリ)とは、一つの請求書で複数の光熱費に関する支払い(電気とガス等)があった場合、電気、ガス、それぞれに仕訳せずに光熱費(カテゴリ)にMoneytreeアプリのAIが自動的に仕訳します。
匿名化された16,000人から取得した480,000の明細データ
光熱費は季節による変化があるものもあるので前月比ではなく以下の2手順で比較しました:
平均的に電気代が高い冬場ではあまり変化がないものの、春の4月、5月や秋の9月でコロナ禍での電気代の増加は明らかです。
暖かくなり、ゴールデンウィークなどで通常では外出が多くなっている2018年4月は前月比で電気代は24%近く下がったのに対し、コロナ禍で初めての4月、2020年4月の前月比は7%弱しかさがりませんでした。
コロナ禍以前の月平均の電気代は7,442円で、コロナ禍中の月平均の電気代は8,222円となり10%増加しました。
コロナ禍以前(2018年2月〜2019年9月)¥7,442
コロナ禍(2020年2月〜2021年9月)¥8,222 (+10.5%)
ガス代も電気代のように季節差が見えますが、コロナ禍前の月平均ガス代が5,686円だったところコロナ禍での20ヶ月の期間の月平均ガス代は6,447円に上昇し、13%以上も上がりました。
外食に制限が続いていたコロナ禍では自炊することが増えたと予測でき、ガス代は電気代よりも変化が大きく見えました。
コロナ禍以前(2018年2月〜2019年9月)¥5,686
コロナ禍(2020年2月〜2021年9月)¥6,447 (+13.4%)
電気代とガス代と違い、季節差がないインターネット代も月平均がコロナ禍中に10%上がっています。
リモートワークやステイホームなどでインターネットの契約プランをアップグレードすることから費用が上がったことが推測できます。
コロナ禍以前(2018年2月〜2019年9月)¥3,704
コロナ禍(2020年2月〜2021年9月)¥4,098 (+10.6%)
インターネット代同様、水道代は季節差がないようですがコロナ禍中の月平均はコロナ禍以前より8%上がっています。
こまめな手洗い、うがいなどが定着してきたのか、2021年1月から9月は安定した水道代で月平均の最低水道代(6489円)と月平均の最高水道代(6735円)の差は246円のみでした。
その一方、同じ期間の2018年は942円もの差がありました。
コロナ禍以前(2018年2月〜2019年9月)¥6,004
コロナ禍(2020年2月〜2021年9月)¥6,501 (+8.3%)
光熱費(カテゴリ)とは、一つの請求書で複数の光熱費に関する支払い(電気とガス等)があった場合、電気、ガス、それぞれに仕訳せずに光熱費(カテゴリ)にMoneytreeアプリのAIが自動的に仕訳します。
月平均がコロナ禍中に16%も上がっていることが見えます。
コロナ禍以前(2018年2月〜2019年9月)¥6,692
コロナ禍(2020年2月〜2021年9月)¥7,810(+16.7%)
カジナビの調査結果である、平均的なリモートワーク手当金の3,683円で、おうち時間の増加で増えがちな諸費用を賄えているかを検証するため、今回は、電気代、ガス代、水道代、インターネット代と光熱費カテゴリの月平均をそれぞれコロナ以前とコロナ禍で比較した調査を行いました。
コロナ禍前に比べ、月平均光熱費がコロナ禍では11%増加していました。これにより、コロナ禍前の月平均光熱費が32307.02円未満の方であれば、3,600円のリモート手当で賄えるでしょう。
本調査では、Moneytreeアプリ利用者の取引明細データから、調査の条件に該当する項目を統計データ化し分析しています。
マネーツリーでは2013年の設立以降、Moneytreeアプリ利用者の個人が特定できない形でデータを取り扱っており、今後もこの取り組みを継続しながら、統計データ化したインサイトをご提供してまいります。
マネーツリーの法人向けの金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」では2,500以上の銀行口座(個人・法人)、クレジットカード、電子マネー、ポイントカード・マイル、証券口座の取引明細が一つに集約する金融APIを提供しています。
Moneytree LINKサービスを導入することで、弊社のように安全にデータを集めて個人が匿名できない方法でデータ分析やデータ利活用が実現できます。ご興味のある方は、是非マネーツリーのコンサルタントにお話しください。
マネーツリー データシリーズではこのような金融データを用いたインサイトを提供していきます。
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マネーツリーデータシリーズ第一回 : 昨年比45%増、非常事態宣言下で食料品のオンラインショッピング需要増をどう見るか?
マネーツリーデータシリーズ第二回 : 出費が多いのは現金派?キャッシュレス派?
マネーツリーデータシリーズ第三回 : 貯蓄が多いのは現金派?キャッシュレス派?
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